「早稲田オープン・イノベーション・エコシステム挑戦的研究プログラム」(以下「W-SPRING」という)は、日本の科学技術・イノベーションの将来を担う優秀な志ある博士後期課程学生に対して、生活費相当額および研究費の両面から経済的支援を最大3年間行い、自由で挑戦的・融合的な研究に専念できる環境を提供する制度です。

また、キャリア開発・育成コンテンツ(国際性の涵養、学際性の涵養、キャリア開発、トランスファラブルスキルの習得、インターンシップ等)をはじめとする様々な支援により、博士人材が産業界等で幅広く活躍するための素養を身に付ける機会を提供します。

W-SPRINGが輩出した若手人材が、産業界で大いに活躍し、将来的には本学の世界に伍する研究大学への進化と日本の産業競争力強化に貢献することを期待しています。

キャリア開発・育成コンテンツ (科目履修、国際涵養、インターシップ)

W-SPRINGでは、自身の専門性を高めるとともに、研究を社会実装の観点から描ける博士人材の育成のため、以下に示す専門的・実践的素養に焦点を当てプログラムを設定し、採択学生が参画します。各項目についての具体的な履修要件等は、募集要項をご参照ください。

科目履修

キャリア開発のためのコンピテンシーとトランスファラブルスキルの習得を目的として、関連科目を履修します。

  • アントレプレナーシップおよびコミュニケーション・プレゼンテーション能力
  • 社会課題の解決に資するデータサイエンス・情報科学の素養
  • 実践的英語力

国際性を涵養するプログラムへの参加

産業界で幅広く活躍するための国際性を涵養することを目的として、以下のいずれかのプログラムを実施します。

  • 国際学会での研究発表
  • 海外教員による研究指導
  • 海外大学と連携した教育プログラムへの参加
  • 海外大学・研究機関等への派遣

インターンシップ

身に付けた能力の実践の場、キャリアデザインの機会提供の場として、インターンシップに参加します。

  • ジョブ型研究インターンシップの参加または、その他のインターンシップの参加

※中長期インターンシップ、特にジョブ型研究インターンシップへの参加を強く推奨します。

対象分野

グリーンイノベーション

主な研究テーマの事例

プラネタリーバウンダリー、気候変動、カーボンニュートラル、脱炭素社会、スマートグリッド、次世代型太陽電池、全固体電池、新型二次電池、カーボンリサイクル、水素社会、エネルギーキャリア、マテリアルズ革新、ゼロカーボンシティ、ゼロエミッションハウス/ビルなど

ライフイノベーション

主な研究テーマの事例

新型コロナウイルスなど感染症、少子高齢化、健康・医療戦略、オンライン医療・介護、医療経済、プレシジョンメディシン、ゲノム編集、Well-being、人生100 年時代、社会参加寿命、農林水産研究イノベーション戦略、海洋基本計画、レギュラトリーサイエンス、代替タンパク質、プラネタリーヘルスなど

デジタルイノベーション

主な研究テーマの事例

デジタル化、DX、超低消費電力計算、サイバー空間とフィジカル空間の融合、ロボットによる社会変革、AI と情報、量子コンピューティング、Beyond 5G、データ駆動型研究、スマートラボ、デジタルツイン、スマートシティ・スーパーシティなど

ソーシャルイノベーション

主な研究テーマの事例

都市と地域づくり、多文化共生社会デザイン、都市農業の戦略的再生、強靭な社会、レジリエント、安全・安心、安全保障、SDGs、サーキュラーエコノミー、資源循環、総合知による社会変革、ELSI、イノベーション・エコシステム、ネイチャー・ポジティブなど

経済的な支援

優秀な博士後期課程学生への経済的支援を強化し、博士人材が広く活躍するための多様なキャリアパスの整備を進めることを目的として、本学の博士後期課程1〜3年、一貫制博士課程3〜5年に在学する学生を対象に、生活費相当額および研究費を合わせて、学生一人当たり最大で年間290万円、最大180人/年(各学年60人程度)に、最長3年間(支援期間は博士後期課程3年次修了まで)支給し、挑戦的・融合的な研究に専念できる環境を提供します。

研究奨励費等(生活費相当額および研究費)は、書面審査および面接審査の評価結果により、以下のいずれかとなります。

採択時の評価結果 研究奨励費等の内容
S評価 年間290万円(生活費相当額240万円+研究費50万円)
A評価 年間270万円(生活費相当額220万円+研究費50万円)

※金額は2023年8月時点での予定額であり、今後変更となる可能性があります。

キャリア開発・育成コンテンツ

1アントレプレナーシップ

グローバルエデュケーションセンター(GEC)「ビジネスクリエーションコース」科目から修得

2社会課題の解決に資するデータサイエンスの素養

データ科学認定制度」科目中級以上等から修得

3コミュニケーション・プレゼンテーション能力

GEC「ビジネスクリエーションコース」科目から、と合わせて修得

4実践的語学力(英語)

対象英語科目から修得

W-SPRING 博士学生育成計画イメージ